歯周病治療

歯周病治療の重要性

歯周病は日本人にとって最も歯を失う原因とされ、30歳以上の約80%が罹患しているとされています。しかし、歯周病は痛みなどの自覚症状が少ないため、進行した状態に気づかないことがあります。歯周病は糖尿病のリスクを3~4.2倍にも増加させ、誤嚥性肺炎や早産、低体重児出産のリスクも上昇させます。しかし、適切な治療で症状を緩和できる病気でもあります。
当院では患者さんに歯周治療の重要性を理解していただき、皆様のお口の健康を守るために尽力しています。

なまため歯科医院の
歯周病治療のこだわり

歯周病は、定期的な歯周ポケットの除菌と適切な自宅ケアで改善します。当院では、治療後も3ヶ月に1度のメンテナンスをお勧めします。
長期間にわたり当院を訪れていただく患者様もおり、その方々はむし歯や歯のトラブルが全くありません。
遠く千葉からも通われている方がおり、これは当院の信頼と治療効果を証明しています。

短期治療

当院の歯周病治療では、治療開始後1週間で出血や口臭が止まり、2〜3週間で健康な歯茎に変わります。

水にもこだわり徹底的に除菌

高濃度次亜塩素酸水(HClO)を使用し、歯周ポケットを徹底的に除菌。清潔で健康な口腔環境へ導きます。

日々のケアで予防

当院の経験豊富な歯科衛生士が、日々のお手入れ方法を丁寧に指導します。
これにより、患者さん自身でも口腔内の健康を保つことが可能です。

歯周病について

歯周病について歯周病は歯肉や歯を支える骨が破壊される病気で、初期は出血がありますが痛みはありません。進行すると歯肉が溶け、膿が出たり歯がグラグラします。最終的には歯が抜け落ちます。
その理由として、初期段階では症状がはっきりせず、歯に穴が開いたり痛みや腫れが現れにくいためです。特に日本では定期的な歯の健康診断が行われる習慣があまりなく、しっかりとした歯周病を治療できる歯科医が限られていることも挙げられます。健康な歯を維持するためには、むし歯や歯周病の予防と適切な治療が欠かせません。

歯周病は全身にも影響を及ぼします

歯肉の炎症が起こると、そこに侵入した細菌や有害物質が血液中に流れ込み、全身の各器官に広がります。この影響により、歯周病は全身の健康に影響を与えるリスクがあります。例えば、動脈硬化や脳梗塞、心臓疾患、糖尿病、腎臓病、関節リュウマチ、呼吸器疾患、早期低体重児出産などの病気と関連があります。歯周病は慢性疾患であり、持続的な細菌や有害物質の産生と全身への波及が健康に影響を及ぼすことを示唆しています。

歯周病の原因

歯周病の原因歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の集まりです。プラークは細菌が集まって歯にへばりつき、バイオフィルムとしても知られています。このプラークは歯磨きだけでは除去できず、定期的な歯科メンテナンスが必要です。細菌が口腔内で増殖し続けると、歯茎の炎症や出血などの歯周病の症状が現れます。
歯周ポケットにたまったプラークが歯石になると、歯石自体は歯周病の直接的な原因ではありませんが、表面のざらざらした部分にプラークが付着しやすくなり、歯周病の発症を促します。したがって、歯周病を治療または予防するためには、歯石の除去も重要です。定期的な歯科チェックとメンテナンスを受けることで、歯周病の発症や進行を防ぎ、健康な歯と歯肉を維持することができます。

このような症状は
歯周病かも

以下のような症状がひとつでも見られる場合、歯周病の可能性があります。早めの検査を受けることが重要です。

  • 朝起きた時に口の中がネバネバする感じがする
  • 歯を磨いた時に歯肉から出血する
  • 口臭が気になる
  • 歯肉がかゆくなったり、痛みを感じる
  • 歯肉が赤く腫れている
  • 硬い物を噛むのが難しい
  • 歯が長くなったような感覚がある
  • 前歯が突き出たり、歯と歯の間に隙間ができたりしている
  • 糖尿病を患っている

歯周病の進行と治療

歯周炎(歯周ポケット 2〜4mm)

歯周炎(歯周ポケット 2〜4mm)
歯周ポケットが2〜4mmの範囲にあり、軽度の歯周炎が見られる場合、歯を支える骨にほぼ影響がないため、正しいブラッシングなどの自宅でのケアで改善が期待されます。
歯周ポケット内のプラークと歯石を除去します。この段階では骨への影響は軽微です。正しいブラッシングを行うことで自宅でのケアを強化し、定期的な検診を受けます。

軽度な歯周炎(歯周ポケット 3〜5mm)

軽度な歯周炎(歯周ポケット 3〜5mm)歯周ポケットが3〜5mmの範囲に広がり、軽度な歯周炎が見られる場合には、歯石がポケット内に付着し、歯肉に炎症が見られます。
骨にも少し影響が出てくるため、歯石とプラークの除去が重要です。自宅での適切なブラッシングと定期的な検診が必要です。数週間後に再度歯肉の状態とホームケアを確認し、改善が見られれば3ヶ月ごとの定期検診に移行します。

中度の歯周炎(歯周ポケット 4〜7mm)

中度の歯周炎(歯周ポケット 4〜7mm)歯周ポケットが4〜7mmの範囲に広がり、中度の歯周炎が見られる場合、骨への影響が進行し、歯の動揺(グラつき)がみられます。また、ブラッシング時以外でも歯肉から出血することがあります。
歯石やプラークの除去を行い、適切なホームケアを指導します。数週間後に再度歯肉の状態を確認し、歯石の残存を取り除きます。その後、数ヶ月を空けて歯周ポケットを再度測定し、状態の改善を確認します。中度の歯周炎の場合、通常の処置だけでは改善が見られない場合があります。その場合は歯周外科治療を検討し、治療後は定期的な検診へと移行します。

重度の歯周病(歯周ポケット 6mm以上)

歯周ポケットが6mm以上広がり、重度の歯周病が見られる場合、歯の動揺が顕著で、痛みが強く出ることがあります。骨に大きなダメージがあり、出血や口臭などの症状が現れます。
歯石とプラークの除去を行い、ポケットの消毒を行います。数ヶ月後に再度歯周ポケットを測定し、治療効果を評価します。重度の場合は歯周外科治療や歯周組織再生療法が必要になることもあります。

歯周病治療

歯周基本治療

ブラッシング指導

適切なセルフケアは将来の歯の健康を保つために不可欠です。当院では、歯科衛生士が正しいブラッシング方法を指導いたします。歯ブラシの使い方や歯間ブラシやフロスの適切な使い方など、お一人おひとりに合った方法を丁寧に指導しています。

SRP(歯石除去)

歯石はプラークが硬化してできるもので、普通の歯磨きでは取り除くことができません。SRPには主にスケーリングとルートプレーニングの2つのステップがあります。

スケーリング(scaling)

スケーラーと呼ばれる特殊な器具を使用して、歯の表面についた歯垢や歯石を除去します。これにより、歯の表面を清潔に保ち、歯周病の進行を防ぎます。

ルートプレーニング(root planing)

歯周ポケット内部や歯根表面の汚れを除去し、歯の根の表面を滑らかに整える作業です。歯周ポケット内の細菌や炎症を減少させ、歯肉の再付着を促進します。

補綴物(ほてつぶつ)のチェック

補綴物(詰め物や被せ物)が適切にフィットしていない場合、歯と補綴物の間に段差や隙間ができることがあります。この状態では、歯垢や歯石が付着しやすくなり、それが歯周病の原因となる可能性があります。そのため、定期的な補綴物のチェックは重要です。

噛み合わせのチェック

噛み合わせが不適切であると、特定の歯に過度の負担がかかり、それが歯周病の悪化につながることがあります。例えば、歯が適切に接触しない場合や咬み合わせが不均等な場合、特定の歯に過度の圧力がかかり、歯周組織に負担がかかる可能性があります。
このような状況では、歯科医師は咬み合わせを調整する処置を行うことがあります。噛み合わせの調整には、歯の形状を変更する方法や、歯に被せる治療を行うことが含まれます。これにより、歯の負担が均等に分散され、歯周組織への負荷が軽減され、歯周病の進行が抑制されることが期待されます。

歯周外科治療(フラップ手術)

外科的歯周治療は、中等度以上の歯周病に対して行われる治療であり、歯周病が進行した部分の歯肉を切開して、歯垢や歯石を取り除きます。この治療では、炎症のある歯肉を切除することもあります。歯周病が中等度以上進行すると、歯周ポケットと呼ばれる歯肉と歯の間の溝が深くなり、通常の治療器具が届かなくなることがあります。そのような場合は、歯肉を切開して歯垢や歯石が付着した部分を露出させ、治療器具が届くようにします。
歯周外科手術では、歯垢や歯石、炎症のある組織を目で確認しながら取り除くことができるため、通常の歯周治療よりも確実な処置が可能です。例えば、歯周病が進行して歯の根の近くに炎症が生じている場合、外科手術によってより精密に病巣を除去し、歯周ポケットを清掃することができます。これにより、歯周病の進行を抑え、歯と歯肉の健康を回復させることが期待されます。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた骨などの組織を再生させる治療法です。この治療法は、歯を支える骨や歯肉を再生することで、歯をしっかりと支え、自分の歯を残すことができるようになります。歯周病が進行すると、歯周組織が破壊され、骨や組織が失われていきます。通常の歯周治療では細菌を取り除くことで歯周病を治癒できますが、失われた骨や組織を元に戻すことはできません。しかし、骨や組織の破壊が限定的な場合は、再生治療が可能です。
再生治療にはいくつかの方法があります。例えば、特殊な膜を使用する「GTR法」や、特殊なたんぱく質ゲルを使用する「エムドゲイン」、そして特殊なたんぱく質製剤を使用する「リグロス」などがあります。これらの治療法は、歯周病の進行具合や状態に応じて選択されます。

早期発見・早期治療の
ための定期検診

歯周病は、早期に発見すれば治療が容易で、完治も可能です。しかし、初期段階では痛みがほとんどないため、気づいた時にはすでに進行していることがあります。そのため、早期発見を目指すならば、定期的に予防歯科を受診することをおすすめします。
予防歯科では、口内のケアを行うだけでなく、歯の状態も詳細にチェックします。むし歯や歯周病の初期段階を見逃さず、早期治療を行うことが可能です。また、歯垢や歯石などの原因となる細菌を除去することで、疾患の発症リスクを低減することができます。
治療が完治しても定期検診でお口の健康を維持しましょう。

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